CAM-POSTは、エンドユーザー自身が特定のNC加工機のポストプロセッサを開発し、そのポストプロセッサを使ってポスト処理(NCプログラムを生成)するためのソフトウェアです。
ポストプロセッサの「開発」というと、通常は、FORTLAN、C、C++などのソフトウェア開発言語を使ったコンピュータ ソフトウェア プログラミングを想像します。その場合は、ポストプロセシングそのものの知識以外に、プログラミング言語やソフトウェア開発技術、開発環境、高度な数学の知識(特に、5軸マシンの場合)、さらにはコンピュータのOSやファイル システムなど、幅広い知識が要求されます。そのためポストプロセッサの開発は、コンピュータ プログラムの専門家や外部の業者に依頼しなければならないというのが現状ではないでしょうか。そうすると、ポストプロセッサの開発に多くの費用と時間がかかり、その結果、多少の不備があっても我慢して使ったり、生成されたNCプログラムにさらに手作業で修正を加えて使ったりしているのが実情ではないでしょうか。
CAM-POSTは、NCや加工に関する知識は持っているが、コンピュータ ソフトウェア開発の専門的な知識を持っていないユーザーがポストプロセッサを開発することを前提にして、その開発を支援するためのソフトウェア ツールとして設計されています。すなわち、CAM-POSTは、実際のNC加工を担当しているエンジニアをユーザーとして想定しています。
上流のCAD/CAMシステムが出力したAPT形式のCL(Cutter Location)ファイルからNCプログラム(俗にいうGコードやMコード)を生成するポストプロセッサでは、その内部で行なわれていることの大部分は、基本的には、座標変換と所定の条件に応じたGコードやMコードあるいは工具を制御するSやTやFなどのNCコードの生成、およびそれらのNCコードの出力順序の制御です。CAM-POSTでは、これらの処理は、あらかじめ指示されている設定に従ってソフトウェアのカーネル内部で自動的に行なわれます。すなわち、対象とするNC制御装置(コントローラ)と加工機の仕様をCAM-POSTに教えこんでおけば、その仕様に沿ったNCプログラムが生成されます。